アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

MMANAによるシミュレーション

PCにMMANA-GALをインストールし、アンテナの効果をシミュレーションしてみた。
誰もが7MHzなどで強い信号を送りたいと願うのではないだろうか?
日中のコンデションが良い場合は、近距離も含めて比較的電波が良好に飛び、それほど影響しないと思われるが、スキップする時間が近づくと、アンテナ、空中線電力などで大きく影響すると思われる。そこで、MMANAを用いて、色々なケースをシミュレーションしてみた。なお、あくまでもシミュレータによる計算なので、実際とは異なると思うのでお許しいただきたい。
一般に7MHzでの伝播を考えたとき、F層反射を想定し、Web上の文献から、高度250km程度の位置にF層があると仮定した場合の一回反射による(減衰が最も小さいと思われる)アンテナの打ち上げ角は、以下の計算で概算した。


打ち上げ角(度)=ArcTan(F層高さ/伝播距離の半分)≒ ArcTan(250km×2/距離km)


私の長野からだと、以下のような打ち上げ角が想定される。
・北海道網走市(1000km) 26度
・長崎県(800km) 32度
・岡山県(400km) 51度
・山形県(300km) 60度
参考 4000kmぐらいになると、7度となる。


それでは勝手なシミュレーションを行う。MMANA-GALには、比較モードがありシミュレーション結果を比較した。周波数は7.05MHzで大地はRealの設定、すなわち、大地の影響を考慮した値としている。アンテナは、短縮をせずにフルサイズでの算出。
まず、気になるのは、地上高10mにおけるダイポール、インバーデットV、V型アンテナの違いである。インバーデットV、V型の給電部の開き角は120度とした。

No.1がダイポール、No.2がインバーデットV、No.3がV型アンテナである。大地の影響から最大利得は6dBi程度も取れるようだが、打ち上げ角30度付近ではインバーデットVに比べてV型が3dB以上良いとなった。V型の方がアンテナの実効高が高いためだろうか?


続いて、2エレ八木(18m高、フルサイズ)とダイポール地上高の比較を行ってみた。

No.1は2エレ八木、No.2~5までは地上高を替えたダイポールである。25m高にすると打ち上げ角が低くなるが、低い打ち上げ角ではほぼ互角となる。距離300kmの打ち上げ角60度程度でも、10m高のダイポールアンテナとそれ程変わらないようである。ダイポールで20m高になると、国内の近距離は10m高よりも不利となる。1000km範囲内であれば、八木が最もよく、10m高ダイポールと比べると、7dBほどの差が生じている。
次に、憧れの強いと感じる3エレ八木のスーパーステーションを比較してみた。

地上高が12m程度でも、ほぼ18m高の2エレ八木と同等の能力を備え、同じアンテナであれば、低い打ち上げ角での利得差が大きくなる。


最後に、以前、3.5MHzで0エリアの方から紹介されたアンテナを7MHzにてシミュレーションしたので紹介する。

No.1が紹介されたアンテナ、No2~4はダイポールで地上高を替えた場合である。このNo.1のアンテナは、地上高3mの高さにダイポールアンテナを設定し、その上に並行に同じ長さのパラスティックエレメントを7m程度離しておいた場合である。見ていただいてお分かりのように、指向性が無い状態で打ち上げ角30度付近で20m高のダイポールと同じ信号強度が得られている。地上高を上げると、全体の利得は低下する。すなわち、大地の影響を利用したアンテナのようである。
現時点では、私は体調の関係で試せないが、どなたか、調べてみていただければと思う。

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