WSPRによる伝播調査- 80mバンド
WSPRによる伝播調査は、今まで7MHz,10MHz,14MHzで実施してきたが、この度、80mバンド、すなわち、3.5MHzでも実施してみた。ご存じのように、この夏の最中、殆ど伝播は期待できないと思われるが、WSPRという最も弱い信号を取得できる方法でなら、何か得られるものがあるのかどうかを調査することにした。
3.5MHzのWSPR周波数は、3.570MHz付近で、アンテナはCD78jrを用い、アンテナの向きは南北がビームパターンで一番強い状態とした。この周波数においては、SWRは3.0程度もあるので受信のみの対応。調査日は、2019年7月9日14:42UTC(23:42JST)から21:22UTC(7月10日の6:22JST)の間である。7月10日の日の出時刻は、19:38UTC(4:38JST)である。
WSPRで受信できたビーコンは、JA5AEA局、VK3MI局でそれぞれ空中線電力が0.01W、そして5Wであった。受信信号が-27dBとすれば、CW交信可能な信号レベルを-1dBとすれば0.01Wなら4W相当、5Wの場合は2kWが必要となるらしい。
まずは、JA国内の状態。
最低の強度は夜明け前の19時UTC頃(4時JST)で、-27dB相当まで低下。CWでは4W以上は必要となる。日が昇ると共に、信号強度は急上昇する。
VK局の場合は、以下の通り。
ほぼ、-23~-20dB程度である。WSPR-27dBのとき、CW2kWでぎりぎりのことから、-20dB程度でも400Wは必要。FT8ならパワーを入れて何とか交信できても、CWレベルでは1kWでも難しい感じだ。
ただ、オセアニアは夜間は安定して入感しているようである。日が昇ると共に、聞こえなくなった。他のEU等の信号は聞こえなかった。
夏場の80mバンドDXは難しそうだ。