アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

晩秋の素晴しいコンデション

サイクル25を迎え、当初の予想を超えて、高いSSNを得ているようだ。このような好コンデションの中、先月末にWW DXコンテストがあり、午後3時頃から始まる14MHzのロングパスでの欧州が楽しくなってきた。それから、既に半月を経過し、晩秋といっても良い時期となった。私は、興味を持つと、熱しやすい(すなわち、冷めやすいこともある)性格であるが、在宅での仕事もあり、午後3時以降のコンデション上昇を眺めてきた。
このたった2週間という中で、私が感じたのは、少しずつ、オープンする時間が遅くなっていることである。10月末頃は午後3時を過ぎれば、結構な賑わいになっているロングパスにおける14MHzだが、近頃は、午後4時にならなければ、オープンしないようである。ただし、オープンすると、以前よりも信号強度が強いと感じるようになった。なぜだろうか、と思い巡らしていたら、ひとつの事柄を思いついた。ロングパスというのは、南半球、すなわち、これから夏を迎えるルートを用いるものだ。このルートは海が多く、電波の反射における減衰量は地上よりも少ないみたいだから、このルートはちゃんとオープンすれば、ショートパスよりも優れている。特に14MHzの冬のロングパスは、欧州との交信ではとても有名なパスであった。しかし、今まで、私はロングパスという名前から難しいと判断していたようだ。そして、夏のコンデションだから、夏になればなるほど、14MHzは夜のパスが一般的になる(電子密度の関係みたいだが)ので、南半球が夜になるルートがいいみたいである。しかし、一方で、日本も、交信相手の欧州も夜、それも極夜に近づく北欧もあるわけだから、南半球の条件は成立しても、北半球の条件も同時に成立することが望まれるということなのだ。だから、オープンする時間が短いのかもしれない。
VOACAPでロングパス伝搬を確認したが、ロングパスの伝搬は必ずしも良いという訳ではない。技術的な問題なのか、それとも違った影響があるかは分からない(Esやグレーライン)が、14MHzについては、ショートパスよりもロングパスの方が良いことは間違いない。
14MHzの午後4時前後での南南東の方向(150度)は、まず、南太平洋(VK,ZL含む)の方面の信号が極端に強くなる。VKやZL局がこんなにいるのか??と思うほど、バンド内に聞こえてくる。そして、その背後に欧州局が聞こえる。最初は、イタリアあたりの局が強く入ってきて、西欧からその後、北欧や東欧に広がっていくという感じだ。ブリテン諸島の局は、私からみると、全てショートパスよりもロングパスの方が強く入感する。
現在は、サイクル25の影響か?同じ時間帯で21MHzでもロングパスが開いている。ただ、21MHzについては、欧州局がロングパスオープンに気付かない場合もあり、ショートパスで捜し、状況をみて、アンテナを南に振ってみるというのが良さそうだ。
日本から見て、ポルトガルやスペインなどは、ショートパスでなかなか交信できないが、ロングパスならば、結構、聞こえてくるので、いままでチャンスが無いという人は、午後のロングパスを狙ってみるとよい。
同様なパスとして、14MHzで日本の朝方(6時ぐらい)の北米やカリブ海あたりが開けてもいいはずなのだが、私はまだ聞いたことがない(この時間帯は7MHzにいってしまう)。
また、午後の西アフリカのロングパスは、DXペディションで狙い目の高いパスである。ショートパスとなると欧州を越してのパスで、欧州の壁ができる(T8パラオで北米局がJAの壁で交信できないのと同じ)。欧州局は、JA指定だろうが、平気で(指定無視で)相手を呼ぶから、JAからみると厳しいと思うが、ロングパスだと、彼らから見てもビーム方向が90度も違うので欧州の壁が無くなる。その面で午後3時頃にアフリカのレポートが上がっていたら、躊躇せずに、ビームを東から南東に向けて、アフリカ局を呼ぶことが良い。ビームが無くとも、その時間帯であればチャンスはあるはずだ。

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