アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

WSPRの連日運用

先週末から、7MHzにてWSPRの運用を連日夜行っている。
ときどき、WSPRって何?と聞かれることがあるが、このWSPRはWeak Signal Propagation Reporter、即ち、微弱信号伝播レポーターと呼ばれるビーコンの一種である。直接、交信を行うわけではなく、特定周波数で信号を定期的に送信、同じ周波数を聞く別の局はその相手局コールサイン、グリッドロケータ、受信信号の強度、周波数、時刻などの情報をこれまた特定のWebサイトにレポートする。後から、特定のWebサイトのデータベースに登録されたレポートを得ることができる。
これらを司るソフトウェアアプリケーションは、FT8,JT65等で名高いWSJT-Xである。特定のWebサイトとは、WSPRnet | Welcome to the Weak Signal Propagation Reporter Networkと呼ばれるWebサイトである。この運用をするには、WSJT-XでWSPRモードを選択するだけでいい。7MHzは、7.0386MHzを中心とする周波数である。周波数は複数で運用され、特に多いと思われるのは7MHzと14MHzである。運用時の出力は、小さい局は数ミリW程度から、私はいつも5Wで運用している。送信時間は1回、2分程度と長いため、気の長いモードでもある。受信能力は恐らく最も高く、-34dB程度の信号も受信可能である。私の場合、JST23時(UTC14時)から翌朝JST7時(UTC22時)くらいまでである。
沢山頂いたレポートのうち、ドイツの局からのレポートに注目した。


このデータは横軸は時刻(UTC)で縦軸は信号強度dBである。それぞれ、一晩に-15dB以上のレポートがある。先の方は、ドイツの日の入り時刻付近、あとの方は日本の日の出時刻付近である。毎日の変化にはそれぞれ違いがあるが、傾向は似ている。UTC15時過ぎにピークがあり、UTC22時ごろに再びピークを迎える。一方、UTC20時付近でわずかな上昇がみられる。偶然かもしれないが、UTC20時ごろの上昇は日毎に遅れる傾向にあった。
不思議なので、VOACAPにて伝播状態を確認した。

これは今頃のドイツと日本の伝播状況で特に信号強度を示すグラフである。縦のラインは周波数をしめす。7MHzでUTC20時のポイントは伝播的に上昇するポイントのようである。一方、このグラフではUTC22時過ぎには信号強度が落ちることが言える。しかし、実際には非常に高くなっており、これが正にグレイラインパスである。
このように、UTC20時付近にみられる通常のパスでは、上昇しても-20dB付近であるが、グレイラインでは-14dB程度、6dB(4倍)の信号強度の期待ができるようである。残念なことに、出勤時間となる朝7時以降のデータはないが、週末に運用する際は、朝9時ぐらいまでグレイラインの恩恵を受けることができる。

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