アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

7MHzアンテナ考究

 現在まで、7MHzのZeppアンテナをたった5mの高さにあげていた。鯉のぼりのポールは子どもが大きくなったおかげで、使用することがなくなった。さて、まずは10mほどにアンテナを上げることを考慮した。アンテナの地上高を上げると、共振点が高くなる傾向がみられる。これは、大地との間に生じる容量が小さくなり、共振点が変化するためだと想定される。いずれも、5mの地上高より格段に飛びは改善するようである。ちょうど、CXやP7などのDXもCWであればゲット出来たのである。但し、EUやAFなどの遠距離となると、きこえなくなり、また、飛ばない。タワーやパンザマストなどが無い中、2エレ程度の八木を上げている局と競争するには、とても難しい状況である。ローテータもなく、GPはラジアルが十分に大きくなければ張れない状況にある。
 今日、Webで色々とアンテナのヒントを探していたら、1つの記事に目が止まった。その名は、「バードゲージアンテナ」である。このアンテナは、キュービカル・クワッドアンテナの変形で、構造的に非常に強くできており、その実、私が高校生の頃、お金が無く、竹竿を使って、21MHzのデルタタイプのバードゲージアンテナを作ったことがある。すなわち、7.5mの底辺をクロスに2本と5mの垂直ポールを置くことでワイヤーを張れば、数デジベルのフロントゲインを取得し、かつ、F/B比が15dB程度取れるビームアンテナを作ることができるのである。
 このアンテナには、更に魅力がある。リレー回路をうまく工夫すれば、固定のビームアンテナを作ることができるのである。すなわち、給電点とアンテナトップに切り替えができるようにリレーと給電部、スタブを置き、各方向でビームを調整すれば、フルサイズのキュービカル・クワッドの簡易版が出来てしまうことになる。ビームはブロードのために、サイドにさえ、当たらなければ効果が期待できそうである。たとえば、EUを狙って北西にビームを向けておけば、北東は北米、南西は東南アジアからアフリカ、南東はミクロネシアあたりを狙える。更に、リレーを工夫すれば、デルタループになるため、東西、南北にも、ゲインは得られないかもしれないが、対応は出来そうである。
ポールは1本、それもステーと同様にエレメントを構成できるので、うまく工夫すれば、面白いアンテナができるように思う。ただ、水平偏波になるため、DXへの飛びはいかなるものかが不明である。垂直偏波とすると、給電部を集中できない。
誰か、シミュレータ等で設計をしてみていただき、報告していただければ幸いである。
もし、垂直偏波で試すとすれば、相対する両サイドの垂直部分に2つの給電部を備え、その給電部の位相が135度ずれるように、同軸ケーブルで位相給電を行い、意識的にずらせば、可能かもしれない。もう少し、考察をしたいが、これも誰か検討していただければ幸いである。東西南北のビームは無理にしても、北西、北東などの部分は垂直系の固定ビームができるように思う。
少し、勝手な考えかも知れないが・・・

CWの楽しさ

今月のCQ誌の特集はモールス通信である。私も、CWが好きで、144MHzや430MHzを除いて、HFではCWの相手を必ず探す。改めて、何故、自分はCWばかりをやるのかを考えてみた。

  • お金をかけずに、DXができる。
  • 混信に悩まされることが少ない。
  • 短時間でQSOが成立(和文を除いて)
  • 寝室の横のシャックで夜中に無線ができる(一番の理由?)
  • 無線をしているという実感を感じる


お金をかけずに、DXができるのは本当で、今のアンテナは普通のワイヤーアンテナ、無線機は安い100W程度の中古無線機、7MHzでカスカスの局を呼んでも、コールバックがある。VKとQSOしたとき、相手もダイポール+80Wだと言っていた。スーパーステーションもいるかもしれないが、大抵はそんなに変わらないのだろう。SSBでは、まさに大きなアンテナと高出力が必要だとおもう。以前、500W+2エレのとき、SSBでヨーロッパとQSOするのも結構大変であった。


SSBは3kHz程度の帯域でQSOが可能な非常に優れた通信モードであるが、CWは数百Hzの帯域でQSO出来てしまう。7MHzは、バンドが広くなり、以前程の混信は減っているが、SSBは常に混信があるため、快適にQSOすることは難しい。結構、注意深く相手の声に耳を傾ける必要がある。CWの場合、IFフィルタを以下に狭くするかで混信を殆ど無にできる。私の無線機は、IFフィルタがデジタルフィルタで構成されているため、QSO時は300Hzの設定にしている。そうすれば、ほぼ、隣り合った信号でも、混信は無い。CQを出す時は、500Hzに広げないと、周波数がゼロインされていない場合は、聞き逃す恐れがある。この300Hzフィルタは非常に優れており、例えば、7MHzでは夜になると、東南アジアからと思われるSSBの信号がCWの周波数帯で聞こえてくる。また、色々な放送局も聞こえてくる。SSBの場合、まさに邪魔な信号になるのだが、CWで300Hzフィルタ設定にすると、殆ど、影響なく使用できる。


短時間でのQSOが成立する。特に、国内のJCC,JCGサービス、海外でのペディションなどは、RSTレポートの交換で終わる。たとえば、


VK1ABC局と交信することを想定した場合、
CQ CQ CQ DE VK1ABC PSE K  
DE JH0ILL K
JH0ILL GE UR 599 BK
BK GE UR 599 TU
TU


となる。SSBの交信となると、
CQ CQ CQ This is VK1ABC Go ahead.
Japan, Hotel, Zero, India, Lima, Lima, over
JH0ILL, You are 59 59, over
 Thanks, You are also 59 59 , over
Thank you
という感じになるだろう。同じ内容であれば、恐らくCWの方が短い。
ただ、和文の場合は長い時間を要する。


私の場合、寝室の横に小さな部屋があり、そこをシャックとして利用している。夜23時過ぎになると、子どもが睡眠を始める。興奮気味の声をマイクに向かって張り上げるわけにはいかない。CWは、ヘッドフォンさえつけてしまえば、あとはパドルを静かに叩くだけである。ただ、一点、注意しなければいけない。IC-7000のフルブレークインのリレー切り替え音は、結構大きい。この場合は、セミブレークインに切り替えて運用を行う。


無線をしているという実感があるのは、まさに、我々中年にとって、無線=モールス信号による通信、このような連想ができるからだと思う。
最近は、CW解読機やソフトウェアがあるようなので、是非、やろうと思っている方は、恐れずに出てみてほしい。7.025MHzより上の周波数はまさに、ゆっくり欧文を打つために使われている。

Websdrの楽しさ

Websdrは、インターネットを利用してアマチュア無線の交信を聞くことができるもので、海外のアマチュア無線局が公開して下さっている。
これらの一覧は、以下のページを開くと、紹介されており、それぞれのWebページにつながる。
http://www.websdr.org
最近、この一覧のページが大幅に新しいサービスをされているベージが追加された。聞きたいバンド、そして公開している地域を選択し、そのページのリンクが貼られている。
私は、いくつかの利用を行っている。

  1. 無線機を使わないでバンドの状態を確認する
  2. 自分の信号をモニタし、他の局との信号強度差を確認する
  3. ビッグガンと呼ばれている設備の局がどの程度の信号で現地に届いているか確認する
  4. 自分が聞けない(耳が悪くて)局は、どのような局なのかを調べる
  5. その日のコンデションを把握する

無線機を使わないでバンドの状態を確認する方法として、DXSCAPEがあり、殆どはこれで何がどこに出ているかがわかってしまうかもしれない。しかし、ここに現れてからは、私のような弱小局では全く歯がたたない。それに、アマチュア無線本来のワッチをすることの楽しさが味わえない。既に出ているとわかっている局をすごい設備を使って(ヒガミです)交信しても面白いのだろうか?それよりも、ノイズの中からQSBを伴って聞こえてくるDXの弱い信号をワクワクしながら呼ぶことがとても楽しく感じる。
そんなとき、食事をした後に、机でパソコンを開き、バンド状態を確認し、面白い局が出ていれば、直ぐに無線機の電源を入れに行く。無線の延長をしているようで楽しい。


自分の信号がどれほど強いのか、どれほど遠くに届いているのか、アマチュア無線をやっている誰もが知りたいこと。今までは、相手のレポートを聞いて、そして較べていたと思う。このWebsdrを利用すれば、自分の信号の実際を確認することができる。ある場所での自分の信号が聞こえるか?聞こえるとすれば、どれほどの強さかを確かめられる。私はビームアンテナを持っていないが、持っている人なら、フロントとバックとサイドで信号の強さを比較することができるだろう。数値は、dB表示で表示され、プロットができるサイトもある。ちなみに、100W、10W、1Wで信号を比較したところ、ほぼ、10dBの差、100Wと50Wは3dBの差が確認できた。相手の局がダイポール等であれば、どこまで届くのかが大体判断できる。


それからビックガンと呼ばれるものすごい局が実際どうなのかを聞くことができる。夜、国内がスキップする状態でも、ロシアのWebsdrでは国内の局が確認できる。そこに、4エレ八木と1kWにてヨーロッパ各国のアマチュア無線局を相手にパイルをさばいている局をみる。東欧、またはスペインなどのWebsdrでどの程度の信号で入っているかを確認すると、まさにヨーロッパ域内のアマチュア局とほぼおなじ信号レベルで入感していた。Websdrのアンテナは、垂直系のバーチカル、またはダイポールが一般であり、信号レベルは59〜59+の強さである。実際に運用されているOMがどこまで確認されているかは不明であるが、弱い局から強い局まで群がっている。JAがパイルを受けている姿を聞くことができるだけでも、とても楽しい気分になった。また、中近東などにあるWebsdrを聞くともっと驚くのは、JA局の信号は入っているが、欧州域内の信号は皆無である。とっても強い信号が欧州、中近東に送られていることを感じた。ある面で、QRMがあまりわからないため、事前にWebsdrで空き周波数を探し、そこでCQを出すと効率的かもしれない。


ビックガンが相手にする局は、私の設備では全くだめ、しかし、Websdrならどのような局かがわかるし、その局がどこの方面の局に多く呼ばれているかも確認できる。但し、耳が悪いので、モニター代わりに使用するという考えはよしたほうがよい。インターネットである上、恐らくWebsdrの方でもバッファなどをもっているのだろう。信号は数秒、遅れている。従って、タイミングが合わないため、とってもらえないばかりか、自らの恥を晒すことになるだろう。


その日のコンデションをつかむことに長けていると思うことがある。例えば、無線局が電波を出していなければ、コンデションはつかめない。しかし、JAの信号をWebsdrで聞くことができるので、どの程度の強さががわかり、便利である。


上記の他にも、色々な用途があると思うが、いずれにしても、こんなに貴重な設備を開放していただいていることに深く感謝したい。