アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

Acom 1000使用感

今年の3月にブルガリア製リニアアンプAcom 1000により1kWにQROを行い、4ヶ月が経過した。途中、関東総通がスプリアス認可のアンプを開示しており、その枠には入っていないが、信越総通での変更検査は合格しており、当面は問題ないと考えている。
 当初、QROにおいてはVL1000の購入を目論んでいたが、購入価格が高いので諦めて少しお得なAcom 1000にした。購入先は、名古屋のH&Cハムショップ様からで、注文して1ヶ月程で納入頂いた。同ハムショップ様のWebページ上の情報では、RTTY等の1kW連続送信が可能、きれいな電波という紹介記事があり、それならと購入に踏み切った。
サイズや設置については、既にブログで紹介しているので、この4ヶ月間の使用感を紹介したい。
エキサイタは、KENWOODのTS-480HXである。エキサイタとの接続は、エキサイタの送信切替信号出力を背面のRCAジャックに接続するだけである。ALC等の接続が無いため、エキサイタの方で出力低減を行う必要がある。過大な出力をする場合、最高出力の部分でクリップされるようで、歪みが生じるようである。そのため、今はあまり使用されていないと思われるが、出力コントロールが出来ないリグをエキサイタで用いることはお勧めしない。私の場合、SSBでプロセッサを入れない場合は60W、プロセッサを入れる場合は70Wを最高出力としている。また、CWの場合は65Wに設定している。この場合でリニアアンプの出力インジケータ上での出力は1200W程度まで表示される。しかし、実際は1000Wに届いていない出力のようで、表示は甘い感じである。
電源電圧はAC200V単相を自作のラインフィルタを介して、給電している。電源スイッチは背面に主電源のシーソースイッチがあり、ラインを入れると、正面のインパネにACOM 1000と表示される。正面の電源スイッチを入れると、インジケータが赤色から緑色の点滅となり、150秒の時間がカウントダウンを始める。すなわち、セラミック管GU-74B(4CX800A)の予熱を行う。セラミック管の排気口は上部に穴が開いているため、そこは常に何も置かないようにする必要がある。ファンの音は極めて静かで、TS-480HXの背面ファンの方がうるさい。
プリヒートが完了すると、Operateボタンを押すと、リニアアンプによる運用が可能となる。ベアフットで運用する場合は、Operateボタンを押さなければ良い。その場合も、様々なモニタは可能である。
調整においては、AcomがTRIと呼ぶチューニングモードにする。このチューニングモードは、OperateモードでPREVキーとNEXTキーを同時に押すことでモードになり、ATTランプが点灯、出力を1/4に低減する。1/4はアンプやアンテナに対して負担を小さくできるが、それでも250W程度の出力がでるため、混信を与えないようにする必要がある。最初はダミーロードで調整と考えたが、アンテナのインピーダンスに最適な状態に調整するためには、実際のアンテナでの調整が必要と思う。
調整には、FSKモードで連続信号を送出し、LOADつまみでインジケータに表示される▽マークを中心にもってくる。そして、TUNEつまみでインジケータの出力を最大にする。まずは、事前に各バンドのプリセット位置につまみを合せて、チューニングモードにして、信号を送出すれば、大体、10秒程度で調整が完了する。アンテナのVSWRは3程度でも調整ができる。なお、VSWRが高いことが分かっている場合は、エキサイタの出力は低く設定する。私は50W以下にする。理由は、異常に大きな出力になりやすく、調整中にエラーが生じたりするためである。1つの調整ポイントでカバーする範囲は、7MHzで±20kHz程度、14MHz,21MHzで±30kHz程度としている。恐らく、アンテナの特性によるのだろうと思う。
調整が完了したら、いよいよ、運用となる。運用中は極めて静か、ファンやリレー音は全くない。排気温度が高くなってくるので、少し心配であるが、インジケータでモニタが可能であるし、監視機能で監視もしている。エキサイタの過大入力があると、エラーとなり、直ぐにOperateモードを落としてくれる。VSWRや反射電力の監視をしているので、アンテナの不具合なども気を使うことができる。
Acom 1000は、非常に堅牢なアンプで、調整は少し大変であるが、それを除けば、アンプとしてはリーズナブルである。最近は、デジタルモードで500W連続送信での運用も開始しており、それもトラブルはない。フルブレークインは、アンプは静かなのだが、エキサイタがうるさいので使っていない。ファンの音も皆無。HF帯だけでなく6mバンドも対応可能な素晴らしいアンプである(私は6mのkW免許は無い)。
IC-7000を使って、出力差によるSメータの差を確認したところ、200Wと1kWでは約2目盛ほどの差があった。すなわち、6-7dB程度でS2の違いがあると考えると、こんなことが言える。
1kW局でS9の信号は、出力によりどうなるか?
1kW - S9
200W - S7
100W S6
50W S5
10W S3
5W S2


S7とS9の違いはそれほどないかもしれないが聞きやすさは全く違う。特に混信などがある場合は、S9なら59で言えるが、S7の場合、47というレポートがある。これが、50Wならどうなのかは一目瞭然であろう。



KH1/KH7Z

6月27日から開始したBaker島のDX Peditionに対して、それぞれが色々な思いでアプローチされているだろう。私はDXCC 100を申請した後、ATNO (All Time New One)の局がいれば、常に興味を持って臨んできた。ましてや、KH1/KH7ZはDXCCのリクエストランキングでも高い位置にあるエンティティなので、始まる前からワクワク感をもっていた。
初日の6月27日などは、まだ、帰宅していないときから、DXクラスタの情報を注視していた。初日は、7.0225MHzで信号が聞こえ、高速且つテキパキとしたCW運用を聞き、期待感が増えた。但し、NA (North America)向けであるため、JAからのコールは出来ない。暫く業を煮やしたのか?一部のJA局がオンフレで呼びだし始めた。恐らく、ここにJAも聞いていることを伝えたかったのだろう。でも、良い悪いは別として、その行為の後、DX Pedition局はJAにも振り向いてくれた。JA局の期待が大きいだけに、初日のパイルアップは酷かったようだ。しかし、信号はピーク時、プリアンプOFFでS9+20dB程度まで振っており、比較的近傍でライバルはJA局だけだと思い、Wkdには時間はかからなかった。ただ、自分のコールサインがJH0ILLと完全に打たれたかが少し疑問で、JH0IRLと打たれたように聞こえた。少し、気になった内容であった。
14.210MHzのSSBでも出ていたということだが、信号が確認できず。やばいかな?という思いで、翌日6月28日も確認したら、14.090MHz FT8にてDX Pedition Mode運用されており、猟犬になって”キツネ”を追った。何回か呼ぶと、すんなりコールバックが来て、結局、送信は2回のみの短時間で終わった。
それから、7MHzは、7.082MHzにSSBでKH1/KH7Zが聞こえた。7.150~7.155MHzの指定であるが、よく聴くと、7.150MHzと7.155MHz以外は取っていないようだ。QRMが酷いことは承知で7.150MHzにて呼ぶことにする。でも、意外にも、数回呼んだら、取ってもらったので、驚いた。
それから、10.131MHzにFT8で聞こえていた。これも、難なくWkd。18MHz,21MHzとFT8は意外にも楽ちんである。ただ、混信が酷いことが予想され、更に相手は受信信号強度のリミットを設けていないようなので、出力はやはり必要と思った。大方、ビームを相手に向けて、200W程度の出力で応戦。比較的早いリターンが得られた。
コンデションが上昇したらしく、14MHzと21MHzのCWで聞こえる。大体、3kHz UPの辺が取ってもらえそうなので、空いているらしい?周波数で呼び、Wkd。更に、14MHz,18MHzのSSBでも難なくWkd。やはり、SSBは1周波数だけのようだ。18MHzではあれだけ多くの局が呼んでいる中で、当局のコールを取ってもらえたことはとても嬉しい。
土曜日の21時、6m AMロールコールの時間であるが、10.108MHzのCWをWkdしたく、ロールコールはログインのみ。しばらく粘ってQSO。10MHzはCW周波数帯が広いので、呼んでいる局は幅広く分散しているので、どこで呼べばよいのかが今一つ判らない。その後、3.522MHzでも僅かに聞こえる。やはり、受信

が非常に難しい。TS-480の入力段はアッテネータを入れなければ、強力な局がひしめく3.5MHzでは相手がマスクされてしまう。ある程度強く聞こえるのだけど、認識が難しい。更に、アンテナのVSWRは2程度もあるので、出力は700W程度に抑えて呼ぶ。それでも、何度か呼んでいたら、漸く、取ってもらえた。今回のペディションで一番時間を要した。
Club logを見て、Wkdバンドを調べたら、やはり7MHzは取れていなかった。再度、7MHzでリベンジ。7.036当たりで取った局がいたので、7.037で呼ぶことに。以外に早くWkdした。
それから、7.056MHzでのFT8が強く聞こえる。多くの局が呼んでいるので、私は400WといままでのFT8で最大出力を出して、呼びだす。そして、見事仕留めたのだ。

FT8 DX pedition mode

6月27日よりいよいよベーカー島からKH1/KH7ZのDXペディションが開始された。今回のDXペディションのひとつの特徴は、FT8での運用が大規模に予定されている点である。事前にWSJT-XはVer 1.9.1にアップデートされ、DX pedition modeがきちんと動作するようになった。初日から、14MHzでFT8 DX pedition modeでの運用があったようだ。残念ながら、私はQSOに至らなかったが、JAでも、多くの局がFT8の恩恵にあずかったのではないだろうか?
WSJT-XでのFT8 DX pedition modeの設定について、いまさらながらであるが、おさらいをしておくと、
① WSJT-X Ver. 1.9.1 をインストールする。
これは必須のようだ。なお、通常のQSOが出来るようにしておくことを前提とする。また、CATモードでのリグコントロールも出来るようにしておく。


② Pedition局の指定の周波数を設定する。
WSJT-X の周波数設定を行い、デフォルト設定周波数以外での運用を可能なように設定する。FT8でのSettings画面で、Frequenciesタブ画面とし、表示テーブル上でマウスの右ボタンを押し、Insert..を選択。使用可能周波数を設定する。

③DX peditionモードを設定する
Settings画面のAdvancedタブでFT8 DXpedition mode のHound(猟犬という意味)をチェック。Fox(キツネ)を追う猟犬になる。

④Split Operationを設定
Split Operationで私はFake Itを選択している。送信する際に、自動的に0.5KHz低く送信するようだ。(CATコントロールは必須)


6月28日夜、14.090MHz, 10.131MHzのいずれでも運用を行ってみた。


14,090MHzでは、4エレ八木に160W程度の出力で呼んだ。KH1/KH7Z局のS/Nは-15dB程度。私の信号は相手に-4dBで届いていた。差は11dBなので、相手は15W程度の送信出力だったようだ。
10.131MHzの方では、2エレ八木に200Wで望んだ。私の信号は-1dB、相手は-8dBなので恐らく40W程度の出力の運用だと思われる。

いずれにしても、非常に効率のよい交信ができるようで、かなり早くWkdさせていただいた。