アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

電話級時代のハムライフ1

先日は、電信級時代のハムライフを語ったので、今回は電話級時代のハムライフを語ろうと思う。
今から40年前は、空前絶後のBCLブーム、短波ラジオが販売され、当時の多くの若者がラジオを聞いて、ベリカードを収集するということを行っていた。まずは、中波帯は普通のラジオでも聞くことができ、そのカードを集めている人がいた。私は、短波帯のラジオ SONY ICF-5900をもって、日本語放送を中心にBCLをしていた。
そのときに、友人がアマチュア無線なるものに挑戦する話を聞いた。BCLラジオで、BFOというスイッチをONするとSSB音が復調できるので、私も聞いてみたら、7MHzなど、とても良く聞こえる。受信のみの一方向から、通信という双方向の方が絶対に面白いと思ったことと、放送局よりもずっと小さい出力で世界中の人と話ができるなど、とても信じられなかったけど、これが本当なら凄いこと!とますます自分を駆り立てた。
アマチュア無線の資格を取るには、国家試験と養成課程の受講の2通りがあるようだが、養成課程は高くて学生には手が出ないので、国家試験に挑戦することにした。テキストは養成課程のテキストを購入して学んだ。挑戦するといった一友人と一緒に国家試験を受験、両者共合格した。
合格し、資格を得れば、当然、無線をやりたくなる。当時の入門バンドは50MHz、3つの候補を上げた。井上電機のIC-502,TRIOのTR-1300、ナショナルのRJX-601。どれも魅力的で、Esが出れば全国とQSOができるということで、欲しくてたまらなくなった。聞けば、一友人はHF機、FT-301Sの購入を決めたとのこと。HF機は高いので、全く無理と思っていたが、よくよく聞けば、当時は21MHzで多くの学生がQRVしている。50MHzはそんなに多くいないということから、親との交渉が始まった。農作業において、畑の農作物をすべて収穫するとかいった約束(今から思えば、大分、譲歩して頂いたようだ)でHF機を頂いた。TS-520Vである。無線機が高いので、アンテナなどに費用をかけることは殆ど不可能、TVで使っていた5C-2Vと工事用の電線を使って、7MHz用のインバーデットVを作成。それでずーっと、免許が届くまではワッチを続けた。局免は、申請から4ヶ月ほどを要した。自分のコールサインは何になるのかをワクワクしながら、願望ではJH0ILKがいいと思っていた。電波監理局から封書が届いたときは、飛びあがって喜んだ。コールは・・・、JH0ILL!変なコール?と一瞬に思ったが、仕方がない。早速、無線機に電源を入れ、21MHzでCQ・・・、そう、初QRVはいきなりCQだったのである。初QSOの相手は、JH0IKQ局。


以下、続く・・・。

電信級時代のハムライフ

私は、約40年前に、アマチュア無線を始めた。当時は、電話級、電信級、2級、1級という資格があり、電話級は1.9MHz,14MHzを除く出力10Wでの電話での運用が認められた。また、電信級は、14MHzを除く出力10Wでの電信のみの運用が認められていた。電信級は、電信のみの運用なので、よほど変わった方?でない限り、通常は電話級からの取得となった。私も、電話級で開局、2年後に電信級を取得した。当時の電信級の国家試験には、電気通信術があり、1分間25文字の欧文モールス信号の送受信が試験にあったと思う。それにプラスして、通常の電話級と同じような工学・法規が試験にある訳だから、電信級は電話級の次に取得するのが一般であった。
25文字のモールスを覚えるのは、通常、カセットテープを入手して、毎日、30分程度の聞き取り練習、送信練習をした。国家試験で合格通知が来たら、変更届を出し、A1モードを免許に追加して頂いた。免許が来るまでの間、1分間25文字の速度を1分間45文字程度までに向上することが難儀であった。当時は、7.025MHz以上の辺や21MHzの少し上の方は、そういう人向けのエリアであったので、いつも聞いて、耳を慣らしていた。
免許が来て、早速、7MHzにQRV、既に45文字ぐらいまでの速度には対応できていたので、ゆっくり打ってもらえれば何とかとれるようになった。
それから、電信が楽しくって、144MHzのFM以外は、電信しか出なくなった。ひとつの理由は、10Wに低いアンテナでのSSBでは中々QSOできず、結局、電信が一番、出来ることが分かったためである。当時は、エレキー自体が高くて、購入できなかったので、安い縦振り電鍵が当たり前の使用であった。
その後、21MHzのフルサイズのグランドプレーンを屋根の上に上げた。釣りで使っていた4mの竿を使って、テレビの屋根馬に差し込み、その竿に3.5m程度のビニル線を付けたもので、グランドプレーンとして、8本程度のビニル電線を張る。調整は、同軸ケーブルの切れ端をオープンスタブとして利用した。地上高7m程度のGPであるが、とても良く飛んだ。朝方の北米、夕方のEUが嘘のように良くできた。CQを出せば、10Wでも呼んできた。リグはTS-520V、正真正銘の10Wである。

私は今でも、そのころの興奮を覚えている。ノイズの海の上に、QSBを伴った信号が浮かび上がって聞こえる。そんな、彼方からの信号をとらえて、自らの弱い信号を海外に送り、交信を行う。アマチュア無線の醍醐味のひとつである。

JT65(FT8)によるQSOの楽しみ方(提案?)

現在、デジタルモードでのJT65を始めとする方法でDX通信を楽しむ方が多くなってきている。コンデションが悪化する中、CWという手段を用いず、比較的に小電力であっても、十分にDXとの交信ができるモードがJT65やFT8というデジタルモードである。このQSOには、PCと専用アプリケーション、無線機とPCのインターフェースが必要となるが、一旦、セットしていしまえば、比較的簡単に始めることができる。
初めて後、暫くは、ここまで飛んだとか、色々な感動を与えてくれるが、JT65の通信方式は、完全にPCに頼った方式であるため、CWやSSBのような自らが必死に聞いて、書き取るなどの行為がないため、次第に感動が薄れてくることもある。
そこで、私が最近、密かに?行っている楽しみ方をお知らせしたい。
JT65やFT8のQSOは、最低限の交信を行うものと割り切ることが必要と思っている。私は、JT65のアプリは、以前からWSJT-Xを使用している。このアプリと一般的にログとしてJA各局が利用するハムログは、JT linkなるものでリンクされ、容易に交信記録をハムログに伝えることができる。私はQRTするとき、ハムログのデータをADIFファイルで出力する。
そして、QRZ.comとeQSL.ccの自らのログデータをアップデートする。QRZ.comにログをアップするには、QRZ Subscriptions serviceで最低でもXML LogBook Data Subscriptinのサービスを受ける必要がある。このサービスを受けると、自ら作成したログデータのADIFファイルをQRZ.com上で管理することができ、そのログで統計を取ったり、QRZ.comのアワードを取得するこもとできる。LoTWに登録されていれば、QRZ.comからデータの転送、ダウンロードができ、自分の取得エンティティの実情を把握することも可能である。また、更にeQSL.ccでは無料で電子QSLのサービスを受けることができ、JT65の多くのユーザーがeQSLのユーザーでもあるため、QSLが即日、取得することが可能である。そのQSLカードは、DXCC以外の多くのアワードで有効なようだ。
話はそれたが、QRZ.comでアップデートしたログは、QRZ.comに登録されている各局のデータとリンクされているため、ログを選んでいくと、交信した相手先のデータが確認できる。相手局の位置、距離、相手局の設備などの紹介を見たり、また、Web Contactという方法でコンタクトすることもできる。JT65では少ない情報であるが、QRZ.comを介して、QSO相手の実情や何を楽しみとされているのかなどを見て、QSOの余韻を楽しむこれが、私の勧めるJT65(FT8)の楽しみ方である。
ある方は、7MHzのスモールループで北米から飛ばしてきた方もあるし、また、ある方は家の周りにステルスアンテナを設営して、見えないアンテナでやっておられる方もいた。
デジタルモードを知ってDXとのQSOが出来るようになって、それを楽しんでおられる方もいる。アンテナや出力等の設備に対する制限は、日本だけではないようだ。それでも、楽しくやっている相手方がQRZ.comで即座に見ることができる。また、QRZ.comのログは、スマートフォンや外出先のPCでも確認でき、そこでQSOの余韻に浸ることができるのだ。是非、試してみて頂きたい。交信相手は人間なので、血の通った繋がりを感じることができるだろう。