アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

21MHz 春のコンデション by WSPR

先日は7MHzの夜のコンデションをWSPRで調査した。今回は、21MHzの日中のコンデションをWSPRで調査してみた。特に、21MHzにおいて、欧州エリアがオープンする時刻を知りたいということが主な目的である。
WSPRの条件は、リグはIC-7610で5W、周波数は21.096185MHz、アンテナは4エレ八木(315度)で4月2日13時から19時半までの間で、受信レポートをWSPRnetにて得る。時刻はJST表示。
結果は以下の通り。


1.欧州方面
欧州方面は、西欧エリアでドイツからのレポートが16:14に-20dBでレポートあり。それ以外は無く、トルコから以下のようにレポートがあった。

緯度が少し低いところであるが、15時半頃にもレポートがあった。
VOACAPで信号強度を予測してみると、以下の通り。

UTC6時(JST15時)からUTC8時(JST17時)ぐらいが信号強度が上がるときがみられる。19時半以降のデータがないので結果と比べることはできない。


2.ハワイ(KH6)
KH6からは、2つの局からレポートがあった。アンテナの指向性からみると、バックのローブにあるため、フロントに対して、-10~-20dBほどの低下も考えられるが、どちらも信号は強かったようである。

運用直後から、信号が強く入感し、次第に低下していく傾向があった。伝搬の状態は2局とも相似している。
VOACAPでの予測では以下のようになる。

UTC5時(JST14時)ぐらいが信号強度でピークとなるようだが、実際は少し早くピークがきたようである。KH6とは、午後の方が伝播がよくなるようである。


3.オーストラリア(VK)
聞くところではオーストラリアとの伝播は午前中がいいというがどうなのだろう。

大きなQSBを伴いながら、運用開始直後から17時過ぎまで入感していた。VKもアンテナ方向はバックになるので、実際はもっと強い信号で入っていたはずである。
ピークは15時台である。
VOACAPでの予測データは以下の通り。

21MHzでは、UTC1時(JST10時)と、UTC7時(JST16時)の2つのピークがあるようだ。午後の方が信号は強くなるとみられる。測定によるピーク時刻は、予測よりやはり1時間ほど早い状況であった。


4.東南アジア(9V)
東南アジアは、21MHzだと比較的よく交信ができるところである。今回、アンテナのサイドにあたるシンガポールからレポートがあった。アンテナのF/S比は20~30dBほどあるため、実際には非常に強い信号で受信できるはずであった。

コンデションは安定していると考えていいと思う。VOACAPでの予測は以下の通り。


比較的安定しており、予測ではUTC9時(JST18時)がピークを迎える。測定データもほぼ等しく18時にピークがあった。


5.中国(B4)
中国の4エリアである。すなわち、比較的低緯度(上海や江蘇付近)が良く入感していた。

VOACAPの予測データは以下の通り。

ピーク時刻は異なるが、19時ぐらいまで入感していた。一方、1エリア(北京付近)は、わずかに聞こえていただけで、16時ぐらいにピークがある信号がいくつかあった。

予測データも、同様に高い周波数では信号強度は落ちるようである。やはり、春分を過ぎて、春のコンデションとなっても、SSNが小さいとあまり良い結果ではない。


21MHzでは初めてのWSPRによる伝播調査であるが、コンデションはやはり今一つである。ただ、低緯度域で太平洋に面しているところは、比較的、信号は強い状態のようであり、東南アジア、オセアニアが今のところ、21MHzの交信対象になるのだろう。
それから、あと1ヶ月ほどでEsのシーズンを迎える。そうすれば、国内交信が楽しめる頃になり、交信相手が見つからないのは、あと少しの我慢で良いと思う。

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