アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

2022 CQ WW DX SSB コンテスト

2022年10月29日~31日にかけて行われたWW DXコンテストに参加したのでここに報告する。この週末は、CMが入っており、その時間帯を含め、参加することが難しいと思っていたが、合計時間22時間、ただし、フルに参加していた時間はその半分程度という気軽な感じで参加した。合計交信数は607QSOとなった。私としては、以外にも、多く交信ができたので、久しぶりにコンテストの報告をアップデートする。
QSOの時間レートは以下の通り

運用周波数のQSO数、各大陸別については以下の通り。


秋のコンデションの絶好調(SFI=131 SSN=68 A=12 K=2, 10/31朝)であり、SSNは少し低めだったけど、Kインデックスが小さい、すなわち、磁気嵐等の通信に影響を及ぼすことが無かったので、安定した交信が楽しめたのだと思う。
運用は、1日目が、21MHzから14MHz、夕方は7MHzに移り、ときどき、3.8MHzを覗いた。2日目は、朝寝坊のせいか(いや、CMのためと言い訳をしておこう)、7時に起きて7MHzのEU方面を呼ぶ。日の出時刻は6:10なので、1時間ほど遅い。明らかに遅すぎるのだが、WWコンテストでは、大きなアンテナを備えるコンテスト局や個人局がこちらに向けてくれる。だから、何とか取ってもらえるのである。ただし、EU域内の混信は相当のようであり、以前に5エレフルサイズの局が、コンテスト中に、まったく歯が立たないのを聞いて、自分の非力な設備では無理だという自覚を持っている。だから、少し、安心?して呼ぶのだ。
今回は、オールバンドで一応、参加することにしてしまった(といっても、入賞など、まったく考えていない)ので、28MHzも念のため、参加する。28MHzは、正規のアンテナでなく、NB42Xである。このアンテナ、28MHzにもしっかり同調する。トラップの動作から、7MHzの4倍に同調するのかもしれない(電圧給電だけど)が、フロントバックもきちんと取れ、ゲインもあるようだ。しかし、アンテナ的にはヤバいので、1kWの変更検査では対象から外したため、免許の制限は100Wである(前のTS-480HX時は200Wだったのが、今はIC-7610の100Wになった)。そのため、条件が悪いのだが、それでも28MHzの良さから飛んでいくのだ。こんなことなら、28MHzも使えるマルチビームを正式に買っておけばよかったと、少し後悔。今度、もし、買うならやはり巻き尺ビームだな。
日曜日の仕事?から帰り、午後13時から21MHzでQRV。アジアと南米が強く入感。15時になって、今回の注目している14MHzにQSYした。なぜ、注目しているかというと、今までこのコンテストのとき、14MHzでのEU方面はとても厳しく、殆ど、取ってもらえなかった。それは1kWになってからも同じである。しかし、今回、実は1日目に、ひょんなことから、ロングパス方向にビームを切った。実は、10月の始めことから、14MHzでは夕方、ロングパスでのルートの方が信号が強いということに気付いていた。IC-7610には、スペクトラムスコープがあり、バンド内の信号の変化が一目瞭然である。実際に、330度(ショートパス)と150度(ロングパス)方面で確認したら、完全にロングパスが大きく勝っていた。ロングパス方向からは、様々なEU域内の信号が聞こえ、且つ、域内のQRMの酷さが分かるのだ。更に、ロシアのアジア局まで聞こえる。これは、地球をぐるっと回って入ってきた信号と言っていい。更に、南米方面もこの方向から強く入感している。当然、オセアニア局も取れるし、アフリカも聞こえる。何と、北米も聞こえてきた。すなわち、ワールドワイドに開けているのが、午後の14MHzなのである。これを知っている日本の局も結構いるらしく、その信号はS9を振って入感してくる。一方、そうでなく、ショートパスにこだわる(知らない?・・・失礼!)局は、非常に苦労しているみたいだった。
2日目は、15時ぐらいに14MHzのロングパスでEUに対してランニングをすることが目的であった。前日、やはり、EU域内の混信が酷いため、こちらからフルパワーで呼んでも、中々、取ってもらえなかった。特に、パスの終わる頃はダメ見たいで、早めの行動がいい。
実際に、ある周波数の空を見つけ、CQランニングを始めたら、最初はオセアニア局からのコールだけだったのが、あるときから、EUからのパイルを受け続けるようになった。普段、交信ができないEU局とも交信できたのだと思う。これは、CW部門でも絶対に使えるはずだ。
2日目の夜は、7MHzで前日に取れなかったカリブ局を呼ぼうと思っていたが、コンデションが前日よりも低かったようで、私の設備では無理のようであった。これだから、SSBは嫌いという感じで、私が7MHzのCWを好む理由の一つである。仕方がないので、交信局数をどう増やすかを考え、南南西にアンテナを向け、CQランニング。インドネシア局を集中して交信することにした。近年、インドネシア局のアクティビティは非常に高く、ときどき、インドネシア国内のコンテストも行われるようだ。CWではそれ程聞かないが、SSBでは普段の日でも、夜になると、インドネシア局からの混信が激しい。今は、インドネシアは太陽が真上、真夏のコンデション。だから、7MHzでは夜遅くまで、国内交信が楽しめるのだと思う。しかし、あれだけ、7MHz SSBを好む局が多いインドネシアを相手にするのは非常によい。インドネシアはオセアニアに属するため、ポイントも高い。すなわち、北米と交信するのと同じポイントを稼ぐことができるのだ。実際に、インドネシアビームでのCQランニングは功を奏し、沢山の局から呼ばれた。アクティビティが高いため、運用マナーやスムーズさも程よく、楽しめる。私にとっては、3日目の朝の7MHz EUと終了直前の北米がターゲットである。
3日目は、前日の早寝のおかげ?で、5時半に起床、すぐに7MHzを聞き始めた。やはり、非常に良く聞こえる。本来は、CWの方が好きなのだが、今回はSSBでの交信に絞る。
7MHzのDXは、再開局前から、興味があった。以前は、7.100MHzまでしか運用できなかったが、それでも夜になると、EU局が7.080MHz付近で聞こえていた。私は、屋根の上の低い7MHzロータリーDPと500Wで運用していた。国内はそこそこに強かったが、EU方面はとても難しく、夜中の3時頃、必死で呼んだけど、取ってもらえなかったのを覚えている(実は、当時、朝方の日の出頃が一番いいということを知らなかった)。CQ出版社のアンテナハンドブックには、容量環付GPの紹介があり、そこには、7MHzでCWと100WならDXCC100は出来るアンテナという記載があり、それが元でCWを学び、色々なことを試したが、やっぱりうまくいかないということだった。再開局後に、アンテナ建設を行ったとき、7MHzは絶対にビームが欲しいということで、最初はCY403、そしてナガラの30/40mの2エレと検討し、最終的に現在のNB42Xに落ち着いた。このアンテナは非力であるけど、それなりにビームということを意識させてくれる。フロントバック比は10dB程度の2エレであれば普通という数値を出してくれるし、広帯域のため、バンド幅200kHzをSWR2以下でカバーしてくれる。少し、思い入れがあったのだ。だから、7MHzでのEU方面との交信は私にとっても、とても魅力的な事柄なのだ。
5時半に始めて、CQを出すEU局を端から呼びつくす。途中、JAのスーパーステーションがササっと、交信をさらっていくのをみて、ドンマイドンマイと語り掛けながら、それなりに取ってもらえる局がいることに満足する。やはり、EU域内の混信と私には聞こえない相手を呼んでいる他の局の存在があるのだろう。そのような中でも、こちらに振り向いてくれることに喜びを感じる。しかし、不思議なもので、EU域内で呼んでいる競合局の信号は殆ど聞こえない。ただ、相手局がS9以上も振って入感するのだから、なんで取ってもらえない?こんなに強ければ、余裕だろう?というのは全く違うのだ。最近はそのギャップを理解しているが、やはり、それを殆ど感じられず、ベアフット+DPでも交信できてしまうCWがいいと思うのは私だけではないと思う。それほど、過酷。アンプは出力を振り絞る1100Wぐらいまでにする。でも、返ってくるのは、コールサインをフルコピーされたものではないのだ。この理由は、実は後で分かった。
それから、朝食後に、14か21MHzのどちらかで最後のがんばりをしようと考えていた。過去に、大学のクラブ局でコンテストに参加したとき、コンデションの絶頂期だっただろうか、WWDXコンテストに、500Wと5エレ?で28MHzのSSBで最後の1時間を運用したのを覚えている。コールを言えば、沢山の局が呼んでくる。入れ食い状態と言ってもいいが、それに近い状態を狙うのだ。14MHzの北米方面のコンデション(局数?)がいまひとつなのに対して、21MHzはとても賑やかである。21.350MHzより上の空スポットを捜し出し、CQランニングを8時過ぎに始めた。私と交信していない局が、北米にも多くいて、未交信局を捜しているはずだから、ちょうどいいはずだと思った。CQを出すと、暫くすると、同時に数局が呼ばれるようになった。西海岸、中央、東海岸の区別なく、殆どがリアル59で呼んでくる。そうすると、少し焦りながら、相手のコールサインの特徴を取るしかない。フルコピーは何回に一度の状況に陥る。集中しながら、QRMの中を呼んでくる局のシッポでもいいから掴んで、そこから交信に繋げていく。交信すればするほど、多くの局から呼ばれ、軽快な交信ができるようになっていく。北米局のオペレータ技術は高い。こちらも、その技術のおかげで、軽快に飛ばすことができるようになってくる。ただ、アジア局からその中で呼ばれると、その速度が停止してしまうように途切れてしまうのだ。軽快さを失うと、途端に呼ばれなくなる。彼らも、この最後の短い時間で、未交信の局を捜しまわっているのだ。少し、ヘボオペではあったものの、30分で100局程度の交信をさせて頂いた。この時が、このコンテストで一番の楽しい時でもあった。
反省:
・SSBコンテストでは、やはりスタンドマイクではダメ。ヘッドセットにしたいと思う。
・声が続かなくなるので、録音機能で準備しておけば良かった。
・コンテストのときに、アッテネータの威力を感じた。これは使うといい。いつも最高感度にするのではなく、アッテネータで聞きやすい状態にすることがいい。
アッテネータは段階的な切り替えに対して、連続可変できるRFゲインの方がいいのかも?
・無線機の周波数精度が高くなると、.00や.50というきっちりしたところに合わせたくなる。でも、その方が相手の了解度を低下させることもある。
・前から思うことだが、信号が弱くても、独特の音質の局がピックアップされる。研究する課題かも
・家事との両立(家庭内インターフェアを減らす)ために有効な方法を考えよう。
・自分が弱いと思ってはいけないかもしれない(本当はもっと強く届いている)


楽しませていただきました。有難うございます。

×

非ログインユーザーとして返信する