アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

7MHz 春のコンデション by WSPR

久しぶりに、WSPRによるコンデションの状況を調査してみた。調査日は、春分を過ぎ、WPX SSBコンテストの直前の3月26日の午前1時半から午前10時半まで9時間、周波数は7MHzのWSPR運用周波数7.04107MHz、出力は5W、アンテナは2エレを330度(北北西)に向けた状態とした。今回は、当局の信号をレポートして下さった方からの報告である。
北北西に向けていたということは、主に欧州のコンデションを狙ったものである。
春分を過ぎると、7MHzのDXシーズンは終焉を迎える。実際にどのような状況なのかを調査する。当日の太陽黒点数(SSN)は24、日の出時刻は5時34分であった。なお、時刻はすべてJSTとする。


1.欧州方面

春分を迎えると、冬場のような日の出時刻でのグレイゾーンによる信仰強度上昇が顕著にみられなくなる。それよりも、比較的長時間(40分から1時間程度)のフェージングがあり、10dB程度の変化がみられた。1日だけの条件であるため、単純に比較はできないが、冬場にみられるグレイゾーン時刻での-10dB程度まで到達する信号は無かった。このことから、相手のアンテナにもよるが、日本で2エレ程度のアンテナと50Wの出力でCW交信をしようとすることは難しい状況であり、安定した交信を求めるなら、1kWクラスが必要な状況であると思われる。いずれにしても、7時台になると、信号は聞こえなくなる。


2.北米方面

午前0時以降に開始したため、信号が低下していく方向にあると思われたが、KH6(ハワイ)は午前3時頃にピークを迎えた。USAカルフォルニアは日の出時刻が23時、ハワイの日の出時刻が1時半ごろで、日の出後1時間半ぐらいに信号のピークがきていた。理由は不明。


3.アジア・オセアニア(日本を除く)

信号の変化はあるものの、比較的夜間は安定して入感している。日の出時刻頃になると、信号は落ち込む。


4.南アフリカ

南アフリカ方面は、ビーム方向がサイドになるため、-20dB程度、アンテナのフロント方面から低下していると思われ、実際の信号はもっと強いと思われる。午前6時台が強く入感しているが、7時頃になると、D層の影響によるのか、信号は聞こえなくなる。南アフリカの日没は午前1時頃なので、実際には深夜帯は可能性があるかもしれないが、信号レベルが朝方に上がるのは経験上も事実である。


5.日本

7MHzでの沖縄との交信のチャンスは、夕方によく訪れるが、朝方にも日の出時刻直後にチャンスがありそう。でも、D層の影響が強くなる午前8時以降は信号レベルは低下していく。
3エリアは、0エリアとの交信チャンスは多く、日の出時刻以降は信号が急上昇し、安定した交信が日中楽しめそうである。
1エリアは、0エリアからは比較的近いために、あまり伝播状態がよくない。おそらく、日中の交信が主となるが、毎日のコンデション変化の方が大きいだろう。


以上、久しぶりにWSPRによるレポートを作成した。相手のアンテナやビーム方向にもよるが、こちらからの5Wの信号の信号レベルレポートを記している。したがって、50Wクラスならば、10dBを足せばよい。
FT8なら-20dBまで、CWなら0dBまで、SSBなら10dBは必要と考えれば、おおよその見当がつくだろう。

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