アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

WW WPX CW CONTESTの解析


コンテストが終わった後、可能な範囲で結果の分析を行うことにしている。特に、コンテストに参加するときに、いま、どの周波数で何処が開けており、どうすれば対処できるかを考えることは重要である。
CWのコンテストの場合、RBN(リバース・ビーコン・ネットワーク)による解析が非常に有益で、RBNが提供する解析ツールはいつも使っている。WPXコンテストでバンド内で聞こえたJA局との北米のSkimmerによる信号強度は、非常に参考になる。それは、この結果に誰も色を付けくわえることが出来ないからだ。
解析ツールで得た自局と他局の比較である。

これは、自局も含まれているが、どちらかというと他局のデータである。このデータは北米西海岸のカナダにあるSkimmerによるデータで、注目は11:30UTCごろに見られる急激な信号強度の上昇で、短時間で20dBもの上昇がみられるものだ。
他のSkimmerでも同じように確認されており、状況では現地の日の出時刻から30分程度を経過したところの信号強度である。すなわち、これがGray Line Passと呼ばれるものだと思われる。私の信号強度が20dB程度、一方の橙色の局の信号は7dB程度であるが、この時間帯になると30dBを超えており、短時間であるが、非常に良いパスが発生している。私が知るところだと、この時間帯は、7MHzなどのローバンドの電波を吸収するD層がまだ形成されていない朝方、D層より高い位置にあるF層が太陽光により電子密度が急激に増えて活発化し、伝搬状態が非常に良くなるときと理解している。太陽光がD層に当ると、D層の活発化により吸収度合が強まり、信号強度が極端に悪化する。Gray Line Passの原理を理解していると、F層とD層への当たるタイミングが長い程、コンデションが長くなるとみられ、夏よりも冬がよいということが想像できる。


さて、Gray Lineの話はここまでとし、いろいろなSkimmerで取得した各局の信号強度の比較をしてみたい。
①Skimmer N6TV(サンフランシスコ近傍)

②Skimmer VE7CC(バンクーバー近傍)

③Skimmer NC7J(リノ近傍)

④Skimmer WB6BEE(パゴサスプリングス近傍)


⑤Skimmer N5RZ(オースティン近傍)


これらを比較することは難しいが、信号が上がる時刻は全体的に同じであるが、東側は早くに信号が落ちる。西海岸は遅くまで信号が安定する。これは、日本の夕方、北米の朝の組み合わせで決まるのだろう。すなわち、互いの夜の時間帯が短いほど、状態が良い時間は短い。
西海岸は、22時(13:00UTC)までよく入っているけど、そこから東側になると20時前後ですでにコンデションのピークを迎え、急速に落ちていっている。
それからわかったことは、ここで取り上げた各局は、多くが連続してSkimmerに受信されており、ずっとCQによるランニングをされていたということだ。私のコンテスト運用では、半分以上は呼びに回る。その面で各局とは異なる。この結果は少し驚きである。

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