アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

必要な空中線電力

空中線電力は、アマチュア局の資格とその免許状によって最大電力が定められている。電波法第54条に、
 「無線局を運用する場合においては、空中線電力は、次の各号の定めるところによらなければならない。ただし、遭難通信については、この限りでない。
 (1)免許状等に記載されたものの範囲内であること。
 (2)通信を行うため必要最小のものであること。」
と規定されており、通信を行うために必要最小の電力が要求されている。
アマチュア局では、資格において、免許される最大電力が定められているが、免許を持っていても、免許状に記載されていなければ、資格内で規定された最大電力での運用はできない。法律によれば、「かつ通信を行うために必要最小の電力で運用しなければならない」とある。これは、混信や他の障害を起こすことが想定されるからとWikipediaには記載されていた。私たちは、「通信を行うために必要最小の」電力とは何かを考えて運用すればいいと思う。これは、東海総合通信局が示すFAQをみると、


Q9:一緒に移動する自動車同士(近距離)での交信の際に電波出力はどのようにしたらよいでしょうか?


A9:電波出力は必要最小限にしましょう。(注7)
 電波は有限な国民の財産です。
 電波出力を最小限にすることにより、使用する周波数は繰り返し利用が可能になり、より多くの無線交信が可能になります。
 高出力で通信をすると、あなた方の交信が、走行場所によっては数十キロメートル一帯で受信されることになります。


とある。この記載は、移動局向けの情報ではあるが、電力を小さくすると、同じ周波数で多くの局が同時に利用できるということを伝えているようである。
HFでの運用の場合、コンデションの問題、そもそも「通信を行うため」の目的を達成するには、パイルアップで他局よりも強くある必要があり、最大電力を使うという解釈も考えられるのだろう。


昨晩(3月2日)、夜3.5MHzのSSBでCQを出していた。コールが無いので、50W出力から800W程度にQRO(12dB UP)したが、それによったのか?4エリア局からコールを頂いた。その方は、5W QRPということであるが、信号強度はS9+10dBもあり、「通信を行うため」に十分な電力だったかもしれない。一方、QSBが伴い、弱いときは、S7程度、49ぐらいに低下することがあり、この場合、安定的に交信を望む自分からは、50Wが適切と考え、その後は50Wでの運用に切り替えた。
この場合、第三者に対しては、弱い状態になるかもしれないが、相手に対しては必要十分な電力となる。
いままで私が電波を出す時、相手に対するきちんとした電力を考えずに、どうも第三者を気にしていたような気がしてきた。自分が如何に強い信号で電波を出すのかのように。これは間違いで、相手に対しての適切な電力はどんな状態だろうかを常に考えるようにしていきたい。QRP局との交信は、このようなことを考えさせられる。

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