アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

SSBにおけるトークパワーの必要性

10月末に行われたCQ WW DX CONTESTでは、7MHzでの混信の中、なかなか相手局に自分のコールを取ってもらえなかった経験をした。これは、1kWにQROしても、なお、発生したことで、相手がとても強く入感して、はっきり聞こえるのに、何故、これほど、相手には自分の信号が伝わらないのかを実感したものである。
特に、東南アジアのベアフットと思われる信号がS9+20dB程度で入っており、こちらから、コールしても伝わらないもどかしさを感じた。アンテナが問題か、とも思ったが、信号が強力に入感しているだけに、違うはずと思った。
私と同時に相手を呼び、先に呼ばれていくJA各局を聞いていると、信号はそれ程でもないのに、QRMの中で不思議と聞こえる趣きのある音声というものに何度かであった。
また、エキサイタの設定やアンプの調整により、700W程度しかピーク出力が出ていない状態では、全く振り向いてもらえない局も、アンプの整合を取り直して1kWが出る様になった途端に、振り向いてもらい、QSOが成立したことも何度かあった。このような体験は、自分の状態を振り返るのに、とても参考になった。
例えば、50Wから100W、又は100Wから200WへのQROは、3dB程度、Sメータで1目盛あるかないかということだが、トークパワーは明らかに異なる。700Wが1kWになると約1.5dBのアップに相当する。しかし、相手が気付くかどうかは、この1.5dBなのだ。
私は、国内のラグチューを好む方に聞きながら、エキサイタとなるTS-480HXの音声レベルの調整を行ってきた。そこでは、まず、ALCを絶対に振らさないレベルで、相手が聞きやすく、疲れにくい音声レベルとなるように、音声入力レベルやコンプレッションレベルを設定した。色々な方から、スピーチプロセッサのON/OFFで信号が変化しないか、場合によって信号が少し落ちるというレポートを頂いていたことを思い出した。
TS-480HXのベアフット(200W)のときは、コンプレッションレベルもある程度入れていたし、ギリギリの信号を取ってもらうために、ギリギリの設定をしていたことを思い出した。一方、1kWにした後は、ある程度、余裕をもった出力となるように制限をかけていたようである。
CQ WW DX CONTESTで、このことを思い出し、プロセッサのインプットレベルを35から40に変更、コンプレッションレベルを2~3dB程度だったものを、10dBレベルまで上昇させた。以後、この混信の中、S9まで届かないEUや中近東の局に、1度、若しくは数回でコールバックがあるようにさせた。この効果は、絶大で10月29日の最終日の朝6時半に、寝坊して7MHzを聞き、既にコンデションが落ち着いてきたとき、S9レベルのEU局に対して、未交信局とのQSOを次々に成功した。14MHzでも同様で、少々のパイルなら打ち勝つこともできた。
後日、3.5MHzでコンデションがあまり良くないときに、50Wの出力でQSO、相手局にプロセッサのインプットレベルによる聞きやすさ、信号強さのレポートを求めた。レベル35に対して、40にすると、明らかに聞きやすさが上がり、また、信号も1~2程度も上がるとの回答であった。
すなわち、SSBにおけるトークパワーは、非常に重要であることが分かった。10月30日夜、7MHzでCQ、東南アジア局からも良いレポートを頂いた。

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