アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

FT8CALL 使用方法と使用感

FT8CALLを使い始めて、いろいろと試してみた。おそらく、まだ、あまり使用されている方は少ないと思うので、紹介をする。
FT8CALLのアプリケーションは、FT8CALLのメーリングリストに登録し、そこからダウンロードすることでプログラムを入手することができる。現在のバージョンでは、v0.5.2である。
まだ、ヘルプなどがなく、手探りでの運用となるが、WSJT-Xを修正して対応しているものなので、設定などはWSJT-Xの設定とほぼ同じと思われる。

表示画面は、WSJT-Xと大分異なるので、使ってみると少し戸惑う感じである。ざっと、使ったところを紹介したいと思う。なお、ヘルプ画面などはまだ用意されていないので、間違っているところはお許しいただきたい。
(1)周波数設定

使用する周波数帯を変更する。設定メニューで設定された周波数から、選択する。使用する周波数とその送受信するオフセット周波数が表示される。


(2)時間等のステータス表示

ここには、設定メニューで登録したコールサインが小さく表示され、さらに現在時刻とビーコン送信までの残り時間が表示される。


(3)設定ボタンとその状態表示

6種類のボタン?状態が表示されている。ボタンを押すと、有効(Enable)、無効(Disable)に切り替わる。
RX :受信状態とするか、否かのボタン
TUNE :調整用なのか?TUNEを押すと、一定のトーンで出力される。WSPRモードのTUNEボタンと同じ。
SPOT :恐らくだが、PSK Reporterへのアップデートのする・しないだと思われる。
AUTO :自動応答をするか・しないかの設定である。JAで国内QSOが出来ない周波数(7.078MHzなど)の場合は、必ず無効(灰色)とすることをお勧めする。相手に届いていれば、質問コマンドなのを送ると、答えてしまうためである。
※これは、少し問題だと思い、FT8CALLのメーリングリストにも、日本の法律ということで投稿をしたが、今のところ、AUTOを無効にすべきであるとの答えである。
BCN:ビーコン有効・無効ボタン。有効となると設定メニューで設定された時間間隔でビーコンが送信される。初期値は30分。
LOG :ログボタンを押すと、ログ表示画面が開く。ログとJT LINKERはリンクできるかどうかは未定。
(4)交信状態の表示欄

FT8CALLで受信された内容が表示される。表示は、オフセット周波数、送信されたコメントからの経過時間、信号強度、コメント内容である。なお、ここでCQがされた場合は、緑色に表示が変わる。また、交信相手は赤色となる。
(5)受信情報の表示

ここには、実際の取り交わした情報(受信・送信)がすべて表示される。表示されるのは、時刻、そしてオフセット周波数、コメント内容すべてである。


(6)チャットウインドウ

実際に送信する内容は、ここに入れる。相手が指定されている場合は、この内容に追加して、自分のコール、相手のコールが先に送信される。Enterキーで送信が行われる。


(7)この周波数で見える局リスト

ここには、この周波数で見えた局のリストが表示される。
コールサイン、見えたときからの経過時間、オフセット周波数、信号強度、コメントが表示される。ここでその局を選択すれば、その相手に自分のメッセージを送信できる。一番上のALLCALLはすべての局宛の内容である。ALLCALL?と送信すると、ここで聞いているAUTO設定のすべての局から、レポートが送られるようだ。


(8)ボタン

これは、6種類のボタンが用意されている。
CQ:CQを送信するときに押す。複数回押すと、複数回連続して送信される。
Reply:How Cpy? が送信されるようで、CQの応答ということだが、どうも使われているようには思えない。みな、DE JH0ILLとか自分のコールをチャットで打っているように思う。
Macros:設定メニューのマクロにあるものを選べるようだ。
Send:送信ボタン。CQ,Replyの場合は送信ボタンを押して送信。チャットウインドウでEnterキーを押せば、自動でSendボタンが有効になる。送信は、時刻と同期して送信される。
Halt:送信中断ボタン。
Directed:ショートカットが沢山用意されており、これが便利である。(以下の通り)

SNR:相手に信号強度を送付する。
? :信号強度のレポートを求める。
@:相手のQTHの情報を求める。
&:相手のQTC情報を求める。
QTC:設定メニューにある自らのメッセージを送信。QTCには、リグ、出力、アンテナを書く。
QTH:設定メニューのQTH内容を送信。私はQTHには、自分のQTHのほか、OP(名前)も入れている。名前を送信する部分が無いように思う。
QSOのチャットは、挨拶を打って、そして、名前、QTH、RIG,アンテナを紹介。最後に、73 GLで終わる感じである。送信は、15秒ごとのパケットを連続してすべての文字が送られるまで続けられる。相手が打ち終わるのは、メッセージのウインドウの最後に" ' "が表示されるようなので、その後に送信すればいいようだ。
答える場合は、RRではじめて、メッセージを打つ。


(9)ウォーターフォール画面

左側は、受信強度を表示するもの、右側のスライドバーは、送信出力を設定する。中央は、受信状態にウォーターフォールとして表示される。自分の送信周波数は、ここで、マウスを設定し、赤く囲まれた部分となる。


運用においては、多くの局は20w程度で運用されている。ゆえに、高出力を出す必要はない。アンテナも簡単なものが多いようだ。
くれぐれも、注意してほしいのは、国内QSOが禁止されている周波数でのALLCALLによる問い合わせ、そして、AUTO設定である。JA同士の交信が成立してしまう恐れがあるから。
QSOは、時間がかかるので、十分にゆとりをもってほしい。
感じからいうと、すでに高出力化したFT8は、本当にDX局とレポート交換のQSOだけをおこなう、DXCCハント中心のモードとなっている。しかし、FT8CALLは、まったく異なり、FT8の微弱信号をデコード可能という電波形式と短時間での送受信を利用し、JT65にもない、PSKに似たチャットができる微弱信号通信のツールとなった。ある面で、コンデションが悪く、かつ、設備もいまひとつという状況下で、本当にDXとQSOする体験を得るとすれば、これはとても面白いと思う。
まだ、テスト版しかないため、インストールにはメーリングリスト登録という若干のめんどくささがあるが、是非、試してみてほしい。


私がオーストラリア局と14MHzで実際にQSOした例を以下に挙げておく。参考まで。


07:03:45 - (1259) - VK4※※※: CQCQCQ QG64 ⌁


07:04:27 - (1259) - JH0ILL: VK4※※※HW CPY? ⌁


07:05:27 - (1259) - JH0ILL: VK4※※※ SNR -15 ⌁


07:05:29 - (1258) - VK4※※※: JH0ILL -17 ⌁


07:06:24 - (1250) - JH0ILL: VK4※※※ QTH NAGANO JA NAME KEN ⌁


07:07:59 - (1258) - VK4※※※: JH0ILL RR KEN OP ○○○ QTH XXXX ⌁


07:09:26 - (1250) - JH0ILL: VK4※※※N RR TNX ○○○RIG TS480 PWR 20W 4ELE YAGI USING ⌁


07:11:14 - (1259) - PWR 20W ANT COBWEB ⌁


07:12:30 - (1250) - JH0ILL: VK4※※※ RR GUD SIGNAL WILL UPLOAD TO EQSL ⌁


07:13:59 - (1260) - VK4※※※: JH0ILL TNX QSO KEN 73 GL ⌁


07:14:42 - (1250) - JH0ILL: VK4※※※ TNX ○○○ 73 GL! ⌁


07:15:59 - (1259) - VK4※※※: JH0ILL CHEERS KEN ⌁


07:16:39 - (1250) - JH0ILL: VK4※※※ SAYONARA ○○○! ⌁


08:07:44 - (705) - VK2※※: ALLCALL? ⌁


08:07:45 - (1259) - JH0ILL: VK2※※ SNR -05 ⌁


08:22:44 - (705) - VK2※※: BEACON QF56 VK2※※: BEACON QF56 ⌁

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