アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

JT65のS/N比改善?

文献を見れば、S/N比の改善は周波数帯域を狭くすると改善するとある。なぜなら、S/N比のNは雑音で、文献には雑音Nの実効値は周波数帯域の平方根に比例するとある。すなわち、帯域を半分にすれば、その平方根の割合、約0.7倍ほどになる。私のTS-480には、3種類(2種類はオプション)のフィルタを実装している。SSBは2.7kHzの帯域である。CW用に500Hz、270Hzの2つが実装している。このフィルタはIF段に入っており、AGCにも影響している。IF段以前はいかんともないが、その後のノイズを減らすとともに、ローカル局や国内SSB局の抑圧を抑える可能性がある。また、TS-480では、便利なことにこれらのCWフィルタをSSBやFSKで使用することができる。すでに、RTTYでは、帯域を狭くし、コンテストで国内の強い信号によるAGCの働きを防止するようにしている。
JT65では、どうかというと、たとえば7MHzの周波数は7.076MHzとスポットで決まっており、通常、メインダイヤルは使わず、PC上に現れるウォーターフォールをみて、音の変化で周波数を切り替えている。そのため、この周波数に、強い信号が入ってくると、AGCの働きにより、弱い信号は消されてしまうことがあった。AGCを切って、RFゲインを調整ということは、昔、コンテストでローバンド運用時によく実施したが、これはあまりにナンセンスである。
TS-480には、昔ながらのIFシフトつまみがあり、これが使えないかを確かめてみた。
まずは、SSBフィルタでバンド全体を聞き、デコードをする。そして、CWフィルタに切り替え、スポットの周波数にはIFシフトでフィルタの領域をずらして対応する。

上図が、14MHzで試したことだが、赤枠のウォーターフォールの部分がCW用500HzでIFシフトを使って帯域をずらしたものである。通常のSSBフィルタを使ったときよりも、見かけ上のS/N比が向上している。VU局の信号で、SSBフィルタでは-21dBに対してCWフィルタでは-18dBとなった。
IF段以降のノイズ改善なのであまり効果はないと思うが、バンド内の強い信号によりAGCが働くことは抑えられるので、つぶされることが減ると思われる。
実際に、スーパーローカル局がS9+40dBで7.0767MHz付近に出てきているとき、7.0775MHzの信号は多少抑圧はあるもののデコードが可能となった。7.076MHzの朝方、DXを行っているとき、7.077MHzを中心として、国内SSBの信号が強く入り、弱いJT65の信号が消されてしまう場合があるが、この方法であれば、周波数の真上でないかぎり、QSOが出来る可能性がある。
実際に、テストをして、お知らせしたい。また、国内や中国の強い信号の影響も低減できると思われるので、試してみたい。

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