アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

WSPR運用結果

11月10日から、7MHzでWSPRの運用を実施した。条件は、夜23時から翌朝までを7MHzで運用、ビーム方向は315度(北西)にあわせ、出力は0.5Wとした。受信データも分析に使った。
少し、面白い結果が得られた。
これは、当方の0.5Wの信号を受信してレポートとしてあげていただいたギリシャの局である。

18:40UTC(3:40JST)ごろから19:22UTC(4:22JST)にかけて最初のピークがあった。この前にレポートをあげた局が聞いていたかは定かでない。その後、21:50UTC(6:50JST)ごろにピークがみられた。日の出時間は21:00UTCでありそれよりも少し遅れてピークが見られている。
朝方LU(アルゼンチン)の局がロングパスで入感。相手は1Wでこちらが受信したもの。やはり、朝方の21:36UTC(6:36JST)に3dBほど強くなっている。ただし、その前からも入っていた。



この朝方にJAの近傍の局が聞こえてくるようになった。夜間は、当方からの信号は相手に殆ど届かなかったようだ。22:00UTC(7:00JST)過ぎになり、信号強度が上がってきたのがわかる。

一方、比較的はなれたところではJA5局がいる。やはり、日の出後の22:00UTC(7:00JST)に急速にコンデションが回復していることがわかる。20dB以上の改善のようだ。


同じJA5局がを夕方、当方の信号を受信したのが下記のデータである。
約30分程度の大きなQSBを伴いながら、全体的に少しずつ、信号が低下していくのがわかる。これを見れば、夕方、がくんと落ちることがあるが、また、ある程度まで復帰するようだ。
全体的には-6dB/時間で落ちていく。ただ、30分程度のフェージングは7dBほどの差があるようだ。ゆえに、聞こえなくなると直ちにもうだめかということはなさそうである。S9+20dBの局がS9になるのが、約3時間を要するとすれば、夕方18時ごろの信号は9時でも聞こえていてもよい。ただし、ピークがS9であり、そこから、7dBの低下はかなり厳しいかもしれない。

いずれにしても、これは一例であり、もっと、データを集めていく必要がありそうだ。WSPRはどこまで飛んでいったかを調べるだけでなく、時間経過でのデータを取れるため、分析に適している。JAの局の1日の伝播状況を調べることにも適していると思われる。

WSPR

WSJT-Xには、いろいろなモードが搭載されている。特に、最近はFT8と呼ばれる時間に同期されたデジタル通信で且つ、JT65の4倍の速さを誇る通信方式が注目されている。JT65は運用が低下、JT9は殆ど見かけないようになった。以前に公開されたQRA64などは、3.5MHzで使ったことがあるだけで、最近はV/UHF用として特化されている。しかし、WSJT-XにはEME用を除き、HF帯で多く利用されているモードがある。それが、WSPRと呼ばれるモードである。このWSPRにはQSOというものはない(但し、以前に試みられたことがあるようだ)。それでは、何が目的かというと、電波を発信し、また、発信された信号を受信して、インターネット上にあるデータベースに登録し、電波の飛びを確認するもの、すなわち、ビーコンに相当するものである。WSPRは、Weak Signal Propagation Reporterの略で、微弱信号の伝搬レポーターという名前である。インターネット上のデータベースは、以下のWebにあり、登録することで誰でも利用が可能。

ログオンすると、Online欄に自らのコールサインが記載され、WSPRの受信情報を読み取ることができる。
WSPRを7MHzで運用した例は、以下の通り。

FT8/JT65の画面に似ているが、Wide Graphでの中央当たりにある狭い領域がWSPRの運用周波数帯。信号は連続で、帯域は6kHz程度という。4FSKの変調で、送出されるメッセージは、コールサイン、グリッドロケータ、出力強度dBmとのこと。1回の送信時間は約110秒、それを一定間隔で送出する。出力は自分で決定し、その数値を定めるが、Weak Signalということや、自らの信号の飛び状態を把握するためにも、出来るだけ小出力で出すことが望ましいようだ。
実は、WSPR自体は以前に1度、試みたことがあったが、Windows OSの設定でレポートなどが書き込まれるPathに日本語が入っており、それをソフトウェアが認識できずにエラーが生じていた。今回、英数字に替えて、新たに設定した結果、エラーが発生せずに使うことが可能となった。
コンデションの把握も含めて、運用は7MHzでトライした。USBの設定で7.0386MHzに定め(CAT対応で自動に設定)、7.040155MHzで運用してみた。23時より開始、翌朝の6時までの運用、得られたレポート数は、WSPRnet.orgより、84件である。
0.5Wでのビーコンでの一番遠いレポーターは、10753kmも離れているところからのレポートで電界強度は、-24dBという結果である。すなわち、21506km/Wという記録になる。他にも時間帯などのレポートや他の局との比較などもできるので、追って報告する。

1.9MHzアンテナ(実践)

11月8日、アース線とミノムシクリップを購入し、早速、1.9MHzのアンテナを構成してみた。実際は、以下のような構成にした。

接地をどうするか迷った。本来は別途に取った方が良いかもしれないが、タワー自体はきちんと低レベルの接地抵抗になるような接地がされており、アンテナの同軸ケーブル引き込み部は、ステンレスワイヤで家屋とタワーを繋いでいる。そのステンレスワイヤに接地線を繋ぐことで接地とした。
アンテナチューナは、一応、仮設として、踏み台の上に置いた。以下がその状況である。

このように、構想図に近い形で完成(仮設)した。アンテナチューナーはAT-200、BANDを1.8MHzに設定して調整すると、1.910MHzでSWR1.1にまで下がった。ノイズレベルは少し高めのS7程度である。インターフェアが怖いので、10Wに設定して、暫くCQ、誰にもよばれない。シンプルなアンテナなので、問題があるとは思えないが、中々、呼ばれない。結局、一旦、7MHzでJA5のOMさんとQSOして、再チャレンジ、1エリアから声が掛った。私にとって、再開局後の初めての1.9MHzのQSO、ノイズレベルが高いため、結構難義をしたが、なんとか、QSO完了。その後、SWR値が異常を表示。外に出てみると、雨が降ってきた。アンテナにはコイルなどが置かれているため、雨には弱い模様。
まだ、仮設状態だけど、曲りなりにアンテナができた。仮設、撤去は早く、5分あれば、可能な感じである。
これから、夜な夜な、上のコンデションが思わしくないとき、活躍してくれるものと期待する。