アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

君の名は。

10月10日、体育の日、息子と一緒に、今話題の映画「君の名は。」を見に行った。前評判から、アニメのリアルさが非常にある映画であった。糸守町の高校で電波ジャックをするシーンで、昔、無線部で使っていた部屋らしく、古い無線機が置いてあった。
無線機は、まさにTRIOの名機TS-520Xと思われる。右横には外部VFOも配置されていた。
TS-520は、私が初めて開局したときに使ったことがある無線機で、私は後継機のTS-520Vである。私のTS-520Vは非常に曲者で、チョークコイルの問題かなにからしいが、直ぐに真空管がオーバーヒートし、電波が出なくなってしまった。何度も、修理に出したが、うまく直って戻ってこなかったために、当時、QRVしたいのに、できる時間があまりにも無かった。
当時は、多くの学生が無線の免許を取得し、毎晩21MHzのあちらこちらでラグチューを行っていた。お金がある?人は、当時、21MHzの3エレや4エレ八木をルーフタワーで屋根に載せて、QRVしていた。近所のOMでアンテナ工事があるというと、よく出かけていって工事を見た。お金がなく、ワイヤアンテナで運用していた自分にとって、憧れの一つであった。21MHzの運用者が多かったので、私が見たのはCD社のCY154やCD社の218Cなどのアンテナであった。また、タニグチエンジニアリングのHB9CVも多くの人が使っていた。私の友人は、同社の21MHzスイスクワッドを屋根に上げて運用していた。当時としては、とても耳がよく、夕方に開けるEU各局がフェージングを伴って入感してくるのを聞いて、驚きに浸った。
出力は正真正銘の10W、これで結構よく飛んだ。屋根の上に固定の3エレインバーデッドVやバードゲージループ、GPなどを作って、朝方に入感する北米W局を懸命に呼んだのを覚えている。取ってもらったときはとても嬉しかった。
その後、電信級の資格(今の3級)を取得、CWを覚えたら、ナローフィルタを装着し、10WとGPやインバーデットVで結構多くの局とQSOをした。7MHzで夜な夜なCQを出していたら、Wから呼ばれたことも何度もあった。応答はないと判っていても、パイルアップに参加することができてうれしかった。21MHzのGPは、10Wでもよく飛んだ。こんな記憶を、TS-520から引き出すことができた。
いまは、当時と比べて、出力は10倍、アンテナもグレードアップした。しかし、応答性はそれほど変わっていないような気がする。昨夜は、14MHzCWで10局ほど、QSOしたが、当時の感動は今もそれほど変わっていない。
ノイズから浮き上がってきた信号に対して、必死に応答するところは、初心と同じ気持ちで、とっても新鮮である。それゆえ、珍しい・雑魚という判断はせず、いつも、相手がいることを考えてQSOしている。それゆえ、昔覚えた新鮮な感動を受けることができる。

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