アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

CWの魅力とは?

CQ ham radioの2月号の特集は、「はじめよう!モールス通信」である。
CW(Continuous Wave)は「連続波」の意味で、アマチュア無線が言っている無線電信ではない。ただ、私たちアマチュア無線家は一般的に、モールスコードを用いて、無変調の信号を断続して意思を伝える通信をCWと呼んでいる。
アマチュア無線で、微弱な信号でも交信ができ、小電力で遠距離通信を行う手段として今まで親しまれてきたモードがCWである。しかしながら、JT65が開発され、更に交信効率の高いFT8が利用されてきてから、その小電力での遠距離通信の座は、FT8に明け渡してしまったかのように思える。しかしながら、やはり、このCWには、私たちアマチュア無線家にとって、大きな魅力があるのだと思う。
その魅力とは何か?CWを愛する人々はそれぞれ語り出したら止まらなくなるだろうけど、私も交信数の半分を占めるCWについて、自分が考える魅力を考えてみた。
それは・・・
(1)自分が無線通信士になったかの錯覚に陥ってしまう・・・
 昔の船舶通信など、非常に厳しい状況で通信を行っている1シーンをイメージし、同様に短波帯の重厚な無線機とアンテナとを持って、雑音や混信の中で、弱々しい相手の信号を必死に受信する自分を重ねてしまう。


(2)ある程度の電気通信術が要求され、それを達成するために鍛錬が必要なモード
 無線機とアンテナがあれば、コンデションに恵まれさえすれば、通信が成り立つ。電話型の通信方式であれば、マイクを介して、ある程度、情報を相手に伝えられる。また、デジタルモードであれば、マクロを用いたり、一定の通信手順により、苦労せずに交信が成立する。CWは違う。無線機から聞こえるか弱い音声信号をどう処理するかで決まる。それは、機械的な処理ならば、無線機のフィルタなどの先進技術を駆使することになるし、人為的であれば、その人が持つ受信能力による。いずれも、神経を研ぎ澄ませ、信号に集中しなけばならない。また、更に通信速度が高くなると、受信能力の向上はまさに経験を積んでいく必要がある。
コンテストなどで同時に呼ばれたとき、頭の中で分解する力が必要だし、和文・欧文の平文通信では暗記受信を行い、頭の中での文字形成が重要となる。更に、ペディション等では、いかに他局を出しぬいて自分のコールを取ってもらうかは、通信速度、符号の打ち方、そして、呼ぶタイミング、周波数など、いろいろと考えることが必要となる。


このようなゲーム感覚に富むモードは、いまのところ、CW以外は無い。無線機の性能も、CWでいかに受信性能が高いかが注目されることも、CWがアマチュア無線で大切なモードであると言えよう。技能の高いオペレータであれば、コンテストでの交信レートは、SSBでは比較にならないほどテキパキしており、早い。それを聞く他局は、ほれぼれするのだ。


このような魅力が高いCWについては、是非とも有資格者(3級ライセンス以上)はチャレンジして頂きたい。
私は解読ソフトDSCWによるサポートをお勧めする。ある程度の速さ(18WPM)での交信は、欧文レベルであれば十分に可能であるし、CWのきっかけになるだろう。
少しずつ、技能は上げていけばいい。まずは、この楽しい世界に入ってみることだ。

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