アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

タワー建設記(3)



タワーが完成し、2日目は、アンテナを組み上げることになりました。
アンテナは2セット、ミニマルチのNB42X(12mx2.6m,2エレ)とCD社の214C(9mx8.6m,4エレ)で、特に後者の4エレをどう組み上げるかが課題です。
1.NB42X
既に、エレメント、ブームの仮組みは完了しています。アンテナ組立用の三脚を準備しておられ、そこにブームを組み付け、エレメントを取り付けていきます。ネジ類は焼きつきを防止するため、全てにグリースを塗ります。NB42Xは、フェーズラインがあるため、それを組み込むまではエレメントは仮固定の状態になります。フェーズラインを組み込み、全てを締め上げていきます。エレメントの水平などの微調整は、Uボルトの締め付けバランスで行います。ブームは通常、ナットとボルトで固定しますが、緩んだときの傾きを防止するため、ビスで固定をします。また、エレメント固定部自体もシリコンにてコーキングし、長期の使用に耐え得るようにします。下でアンテナ・アナライザにより、各バンドのマッチング状態を確認します。ブームの水ヌキのために、カバーに穴をあけます。
アンテナは、マスト最上部まで釣り上げ、2名により、マスト最上部から50cmの所で固定します。1名が遠くに行って、アンテナの水平や角度を確認し、固定をします。同軸ケーブルを接続し、防水処理を行います。再度、アンテナ・アナライザでマッチング状態を確認し、完了。











2.214C
アンテナのエレメントが庭で組み上げられないため、タワーを用いて、垂直にエレメントを組み上げることにしました。マストを水平に固定し、そこにブームを垂直に固定します。組み上がったエレメントをブームに組み込んでいきます。
ラジエータを基準に、他のエレメントの水平出しをしていきます。全てが組み上がったら、タワーを少しクランクアップし、上部のアンテナに当たらない状態にして、回転させてから、マストに取り付けます。この段階で、NB42XのSWRの変化を確認します。下のアンテナの影響でSWRが変化する場合は、アンテナの方向をずらすようです。幸い、影響は殆ど無いようです。214Cの同軸ケーブルを接続、防水処理を行い完了。



この後、ケーブル類の処理が必要です。クランクアップタワーは、タワーが収縮するため、きちんと処理をしておかないとケーブルの破損につながるようです。
ローテータの方向出しをします。ローテータをコントローラに接続し、方位が正確になるかの微調整を行います。



アンテナ引き込みは、本来、こちらで行う部分ですが、少し、手伝って頂きました。タワーと家屋の間にステンレスワイヤを張って、そこにケーブルを添わせるように考えたのですが、今回、タワーと家屋の距離があり、当初検討していた場所までの距離が10mもあることがわかりました。少し、無理があるため、タワーからの処理までを行い、後ほど、組み込むことにしました。




タワーは全てのボルトの増し締めをしていただき、磨き上げられました。また、ウインチに防水コーキングを行い、ワイヤへはたっぷりのグリースを塗布、タワーと基礎の間の隙間には、コンクリートを入れて頂きました。全てに渡って、非常に丁寧な作業をして頂きました。㈱ワカマツに感謝!



最後に保険については、現在、JARLが行っているアンテナ保険の加入時期ではありませんが、自動車保険の個人賠償保険特約について確認を行い、保険会社から賠償の対象に入ることが確認でき、ひとまず、問題ないことがわかりました。


また、いたずら防止のため、下部にはネットを張り、子どもが勝手に入り込まないようにしました。


振り返りをすると、

  • 費用:なんとか予算内で完成しました!
  • 自らの要望:7MHz以上はひとまず、全バンドが使えるようになった。NB42X(7MHz,10MHz,18MHz,24MHz,  そして28MHzも)、214C(14MHz,21MHz,そして50MHz)
  • XYLの条件:雷に対するリスク低減のため、クランクダウン時は14m未満、避雷対策も実施、未使用時はケーブルを取り外せるように処置
  • 法的規制:市の景観条例への対処、建築基準法に対する準拠(クランクアップタワーでも15mを構造物とするとの長野県の見解に対する対応)

ということで、現状満足しています。
ただ、遠くからみても大きな構造物なことは否めません。出来る限り、リスクを減らすために、できるだけ、未使用時にクランクダウンすること、定期的なメンテナンスをすることが必要です。

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