アマチュア無線家JH0ILLのつぶやき

ある日、突然、アマチュア無線を再び、やってみようと思い付き、十数年ぶりに再開した無線局のつぶやき。

VOACAPによる伝搬シミュレーション

毎月のCQ誌に記載された伝搬予測は、VOACAP Onlineを用いた伝搬シミュレーションの結果である。VOACAPはもともと、Voice of Americaの放送を聞くのに用いた伝搬シミュレーションのようであるけど、アマチュア無線家により手を入れられ、現在のようになったと聞く。いずれにしても、アンテナの種類、高さ、そして、送信出力などの設定ができるため、現在の伝搬状況で、自己の設備でどの程度まで届くかを把握することができる。
5月になって、18MHzや14MHzなど、コンデションがとても好調になり、夜になっても賑やかなバンド内を耳にするようになった。既に空模様は夏のコンデションであり、春先の方が絶対によいと思うのだが、どうも最近のコンデションの方が良い感じを受けるのは当方だけではないと思う。また、5月になって、何故か?Esが発生し、国内のコンデションが活発になっているときに、18MHzや14MHzのDXの入りも良いような感じがする。Esは影響ないと思っていても、何かありそうな感じがしていた。夏の18MHzは、夜欧州が開けているときに、同時に北米まで聞こえてくることがあると聞いた。そして、それはEsの影響らしいとの話があった。そんな情報を聞きつつ、VOACAPでのシミュレーションをしているときに、VOACAPの伝搬設定にEsの有り無しを設定する部分があった。これは、まさにEsの発生による伝搬の状態をシミュレーションできるものであった。

5月におけるJA(東京)とEUの伝搬状況を以下のように取得した。

上図の左側が通常の伝搬確率、右側はEs発生を含んだ伝搬確率である。これをみれば、Es発生時は全般的に信頼度が上昇している。
また、信号強度については、以下の通り。

左側が通常、右側がEs発生時、やはりEs発生時の方が大きくなるようだ。
通常時では18MHzで言えば、8 UTC(17 JST)から14 UTC(23 JST)までが入感するようであるが、Es発生時では、7 UTC(16 JST)から14 UTC(23 JST)と時間はほぼ同じであるが、強度は明らかに強いような傾向となっている。すなわち、Es発生時の方が18MHzでのDX交信の可能性は高いと思われる。
18MHzの伝搬状況については以上のような傾向が考えられそうだ。
更に、先日、JE6RIJさんの7MHzでのK3ESTさんとのQSOを考えてみた。一般に、7MHzなどの低い周波数はグレイラインの影響が大きいため、日の出、日没に信号強度が上がる傾向がある。19時に北米カルフォルニアとのスケジュールを組まれていたようであるがそれが正当であるかをVOACAPのGreylineで検証をしてみる。
ロスアンジェルスの日の出時間は、以下の通りである。
DAWN RISE POST
12:22 12:50 13:10
(DAWN:太陽が水平線より6度沈んだ位置、RISE:日の出時間、POST:日の出後3度上がった位置)
すなわち、米国でグレイラインになるのが21:22JSTごろとすれば、18時JSTは、まだ日の出の前であり、夜間帯に伝搬する7MHzの特性上、通信には問題はないとかんがえられる。
続いて、日本はどうなのか?私の住む長野はほぼ東京に近い位置と考えると、日没の時間は以下の通り。
PRE SET DUSK
09:18 09:39 10:07
九州の辺はどうなのか?
PRE SET DUSK
09:47 10:07 10:33
(PRE:太陽が水平線より6度高い位置、SET:日没時間、DUSK:日没後3度下がった位置)


これを見れば、東京では太陽が傾き、GreyLineに差し掛かるのが18:18 JST、完全に沈むのが19:07JSTとなる。即ち、19時の約束時間には東京ではGreyLineに差し掛かったもので、信号もS9程度まで到達していた。
九州では、太陽が傾き始めたのは、18:47JSTで、太陽が沈んだ時間が19:33JSTとなり、もしかするとピークは少し遅かったのかもしれない。
これが本当かどうかはあくまでも推測であるが、やはり最高のコンデションを求めて時間を定めるべきである。

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